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2006/02/13

素晴らしき科学の世界:DVD版COSMOS 1


Cosmos Collector's Edition (7pc) (Coll Box)

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エピソード1  宇宙の浜辺で
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7枚組DVDで2000年に発売された「COSMOS」は、1980年にテレビ番組として制作されたカール・セーガン博士の代表的著書「コスモス」をほぼ忠実に映像化したものである。
全13話で構成される壮大な科学ドラマは、四半世紀を経た今も、斬新な映像と緻密で工夫の凝らしたストーリーで、我々を、宇宙そして人類と文明の魅力的な旅に誘い込むのである。
なお、全編を通じて、著者であるカール・セーガン博士自身がナビゲーターを努めている。

第1話となる「宇宙の浜辺で」は、この壮大なドラマの序章であり、このあと展開されるドラマのアウトラインが示される。

ドラマは、風の強い荒涼たる海岸での博士の独白から始まる。
博士は語る「宇宙は大きな海原であり、我々はその浜辺にようやく立っている」と。
「人類は宇宙(コスモス)の一部であり、ようやくその大海原への冒険の第一歩を踏み出す時を迎えつつある。」とのコメントは、今我々が生きる時代が、悠久の歴史でどのような位置にあるかを良く示している。
長い歴史を辿った人類が、20世紀の末になり、ようやく宇宙の探査を始めたのである。

海岸で大空に舞い上がるタンポポの種、その小ささと大海原の壮大さの対比が、宇宙における人類の位置づけを良く示している。

タンポポの種が、宇宙空間を航行する光輝く宇宙船へ。場面は星の輝く宇宙空間に変わる。
カール・セーガン博士は語り続ける。
壮大な宇宙空間の限りない広さ。全宇宙を支配する物理学の法則。そして未だ解き明かされていない宇宙の神秘。

光速で航行する宇宙船から、宇宙に関する専門的知識が次々に説明される。
宇宙船の窓に流れる光は、恒星ではなく銀河である。
星や銀河が生まれ死滅する事実が説明され、観察された事実が映像化され示される。
本からでは伝わりきらない星の物語が、映像で明確に説明される。
退屈になりがちな数学的事実の羅列も、美しく豊富な画像に圧倒され、このあとの展開を期待させる見事な導入部である。

壮大な宇宙空間と、そこに存在するかもしれない生命・文明の指摘は、後に詳細に検討される重要なテーマの一つである。
宇宙船は様々な出来事に遭遇し、つぎつぎと解説がなされる。

宇宙の果てを探検し、宇宙船は太陽系に戻ってくる。
太陽系の惑星を説明しつつ地球に接近する宇宙船。
各惑星の映像は特に美しく魅力的である。
宇宙船は最後に青く輝く地球に接近する。壮大な宇宙にたった一つの地球に。

場面は緑深い地球に戻る。
世界各地の様々な人々の姿や生活が次々に映し出される。
カール・セーガン博士の全著書に共通する人間賛歌ともいうべき印象的な場面である。

ストーリーは一転して、古代へと変わる。
アレキサンドリアなどの古代文明が偉大な科学文明を築き上げていたこと。
仮説をたて実験をし証明をする方法論としての科学が、いかに大切なことか。
そして遥かの昔に、その科学的方法によっていかに人類が真実に近づいていたかが語られる。
科学的思考の重要性を訴えることは、博士のもう一つの重要なテーマである。

古代における大海への冒険が果敢に行われたことが語られる。
それは、今我々が同様に宇宙への冒険を行う必要があることを強調するためなのであろう。

現在のアレキサンドリアを歩きながら、その後人類が歩んだ歴史を振り返り、全てが失われたことを語る博士。
古代アレキサンドリア図書館の中を歩きつづけながら博士は語り続ける。
そこがあらゆる科学研究の場であったこと、
当時のあらゆる知識が積極的に収集されていたこと。
その集大成が図書館に納められた膨大であった書物であったことを。

はるか昔、人類の知識があるいは現在の我々の知識を越えていたかのように、次々とその知識の一端が明らかにされる。
そして、科学が再発見されたのが、ごく最近であることが語られる。
ここ数百年の西洋近代史が簡潔に説明されていく。
現代科学の基礎となった発見が行われた時代が、精巧に再現された寸劇で説明されていく。

最後にあの有名な宇宙カレンダーが登場する。
悠久の宇宙の歴史に比して、人類の歴史はあまりに短い。
人類が誕生したのが、12月31日の1年が終わろうとする、わずか数分前であることが指摘される。
有史以来の歴史に至っては、わずか数秒にすぎない事実が。
人間の通常の感覚では理解しがたい、あまりに長い宇宙の歴史。
わずか数十年しか生きない人間が、その時間を理解することは難しい。
宇宙の誕生から今日までを1年間に置き換えて、カレンダーに例えた博士のアイディアは秀逸である。
多くの人は、このカレンダーによって、はじめて人類の歩んだ時間と宇宙の悠久の時間を感覚的に理解できるはずである。
ここでは、その時間の比較を、面積に置き換えることで、理解を助ける工夫もなされている。

壮大な宇宙の広さと悠久の宇宙の時間。
あまりに小さい地球と、あまりに短い人類の歴史。
この宇宙のたった一つの場所と、一瞬の時に存在している地球の人類と文明の奇跡ともいえる希少性。
その大切さを指摘し第1話は終わる。


Cosmos Collector's Edition (7pc) (Coll Box)

Cosmos Collector's Edition (7pc) (Coll Box)

発売日:2002/10/22

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『コスモス』が初めて放映された1980年、私たちの世界は――そして、カール・セーガンの「個人的な旅」が訴えかけてくることは――現在とまったく違っていた。今は亡きセーガン博士が現在の世の中を見れば、きっと喜ぶことだろう。冷戦は一段落し、宇宙探査は続行され、石油への破滅的な依存を抑制するための取り組みが進行中だ。セーガンのシリーズは、「気が遠くなりそうな数の」星や銀河をめぐるガイド・ツアーという程度のものでは決してない。人類の団結を呼びかけ、今なお深遠なメッセージたり得ている作品なのだ。「私たち人... [続きを読む]

受信: 2006/12/30 02:11

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