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2006/02/23

素晴らしき科学の世界:DVD版COSMOS 4


Cosmos Collector's Edition (7pc) (Coll Box)

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エピソード4  天国と地獄   Heaven and Hell
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第4話は、彗星と惑星そして金星の話である。
緑深い森から物語は始まる。
博士は語る、地球は生物にとって天国であると。
そして、宇宙には天国と地獄があるのだと。
長い地球の歴史には破滅の歴史もあったことが。

古い記録フィルムが映し出される。
前世紀のシベリアでの素朴な生活風景。
10世紀初頭のシベリアでの、彗星衝突の調査風景である。
シベリアの森林が一面になぎ倒されている場所が、彗星の衝突場所である。
現場には、隕石の破片も何もなかった。
彗星の衝突が、広い範囲の気象台の気圧計に記録されていたことが語られる。

現場の荒涼とした森を歩きく博士。
何の痕跡も残さなかった大爆発を説明する、様々な仮説が紹介されていく。
具体的な証拠に裏付けられた仮説のみが真実だと力説する博士。
証拠によってのみ事実は語られるという、
方法論としての科学の重要性がここで再び確認されている。
博士が最後に提示する仮説。
氷で出来た彗星が地球に衝突する場面が再現される。
核爆発並みの彗星の衝突。過去何回もの衝突があった。
衝突とともに樹木はなぎ倒される、氷は蒸発しクレーターはできない、
何の痕跡も残らないなど、この仮説が状況証拠と一致することが検証される。

話は、彗星について昔からどのような仮説や迷信があったかに変わる。
彗星の出現は、災いの前兆と信じられ、さまざまな歴史的事件や伝説を生んだことが語られる。
記録された彗星の絵や版画。
最も有名なハレー彗星。ごく最近の接近でも、いろいろな風説や根拠のない噂が生まれた。
当時の人々の滑稽な言動の数々、科学の進化とマスコミの発達が恐怖を増幅する。
彗星の毒ガスを防ぐガスマスクや飲み薬などを手にする博士。

楕円軌道を描く彗星が長い尾をつくる仕組みなどが、CGで説明されていく。
美しい太陽系を横切る彗星。長楕円軌道を描く彗星は惑星軌道を横切っていく。
木星などの引力で軌道が変化する様子などは、改めて図示されると実にわかりやすい。
巨大な太陽系の模型のなかを、彗星になったつもりで歩いていく博士。

ハレー彗星が惑星に衝突する確率は10億年に1回。
すなわち、大きな彗星の衝突はめったに起こらないのである。

あわせて太陽系の構造も説明されていく。
木星の模型に近づく博士。
木星が巨大であること、そして気体で出来た、地球とは構造の違う惑星であることが。
木星には地表はないのである。そこには衝突の証拠であるクレーターはない。
しかし、木星の衛星にはクレーターも地表もあることが説明される。

場面は12世紀の修道院に変わる。
月に彗星が衝突したことを目撃した貴重な記録が、ここに残されている。
キリスト教の教義に反する事実を、見なかったことにしてしまった多くの修道士達。
そこに、事実を記録した唯一の修道士がいたことが語られる。
「月が燃えた」その意味を考える修道士。記録は正確に事実を記録していた。
そのような態度こそが、科学の態度だと博士は暗黙のうちに語っている。

800年後、アポロ計画によってその衝突が確認されたという驚くべき事実が、
今や懐かしいアポロ着陸船の映像をバックに語られる。
衝突の振動が未だ残っているのである。
レーザー光線による月面観測の仕組みが説明されていく。
月面の詳細な写真で、その場所までが明らかにされていく。

太陽系の惑星の誕生を巡る何の根拠もない仮説が紹介され、
その荒唐無稽さが科学的・論理的に否定されていく。
金星の誕生に関する仮説である。
金星が木星で生まれ、地球上の出来事の原因となり、今の軌道に落ち着いたと言う仮説。
いかにありえないかが、説明されていく。

再び模型の太陽系を説明する博士。
太陽系の大きさと惑星の大きさの模型が正確でないことが、はじめて説明される。
太陽系の大きさに較べて、惑星はあまりに小さく、衝突や相互の干渉がほとんど起こりえないことが。

最後に、あらゆる科学の仮説を証拠によって証明する大切さが語られ、たとえ常識や感情に反するものでも、
それを抑圧したり弾圧したりしてはならないことが、強調される。
太陽系や惑星をめぐって過去に様々な説が生まれ信じられたこと、
そしてそのほとんどが事実ではなかったことが語られる。

金星の話である。
地球に近く、地球に似ていると思われていた金星。
金星観察の歴史と、その姿を巡る様々な仮説が紹介される。
星の光学的観察によって、様々な事実がわかる仕組みが説明される。
虹の解体、プリズムによるスペクトル解析である。
特定の原子や分子が光を吸収する。
可視・不可視の光線や電波を分析することで、星の大気などの組成がわかるのである。
最近の金星探査機による観測によって、それらの仮説がいずれも間違っていた事実が示される。
科学においては、多様な仮説が認められることと事実による証明が重要なのである。

厚い雲に覆われ、雷鳴轟く高熱の金星。
その映像は、実によく出来ている。
ごく最近まで天国のように思われていた金星が、実は地獄のような場所である事実。
金星の灼熱の原因が温室効果であることが語られ、地球での温室効果の危険が指摘される。

青く美しい地球。
天国のような地球の自然。
高空から見た美しい地表の映像。
それを、地獄に変えてしまうかもしれないのが、人類自身であることが指摘される。

エジプトのスフィンクスの前足の上(!)で博士は語る。
その姿が風化によってゆっくり変化してきたことを。
そして、ニューヨークに運ばれたオベリスクがわずか100年の内に、
排気ガスなどで浸食されたてしまったことを。
現代文明が地球にとって有害なことが暗示される。

人類の生活を破壊する自然の脅威。
竜巻や火山の噴火の映像。
自然の破壊が、地球にもたらす深刻な影響が指摘される。
現在に生きる我々の自覚を促す博士。
積み上げられる廃棄物の山や排煙などが、その破壊のすさまじさを示していく。
爆撃、核実験など。
(しかし、博士自身はそのことに絶望も悲観もしていない。それは克服できると博士は信じている。
博士はアメリカ人なのである。)

われわれにとって、地球は唯一の故郷である重要な事実を、博士は指摘する。
金星にも火星にも、人類の住む場所がないことを。
青く輝きゆっくり回転する地球の映像。
地球を天国のままでありつづけさせることが出来るのは、
今生きている我々自身であることが指摘される。
それを地獄に変えるのかもしれないのが、我々自身であることも。

我々が、将来の子孫と地球に対して、責任を持つべきことを、
博士は最後に異星人の質問に答える形で語り、物語は終わる。

巻末の最新情報では、温室効果の危険性が改めて指摘されている。
その対策として、燃費の良い自動車の開発など至って現実的な4つの方策が提案される。
セーガン博士が実践的で現実的な科学者であることの証明である。
一方で、その程度の方策さえ実施されていないことに、人類文明の危機を改めて感じるのである。

 


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発売日:2002/10/22

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