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2006/02/25

素晴らしき科学の世界:DVD版COSMOS 5


Cosmos Collector's Edition (7pc) (Coll Box)

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エピソード5 赤い惑星のブルース   Blues for a Red Planet
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第5話は火星の話である。

宇宙空間に赤く輝く火星。
火星を背景に、火星を語る博士。
火星探検の歴史、有用性など。

有名なウェルズの「宇宙戦争」が、ホルストの「惑星=火星」をBGMにして語られる。
はるか火星から地球を観察する火星人。
その火星人が地球を侵略する話である。
19世紀の平和な英国の田園風景と平和な生活風景の再現ドラマ。
そんな平和なビクトリア時代にこの物語は生まれたのである。

場面は、古い天文台に変わる。
暗闇の中を歩く博士。
木造の古いドームのなかに、大きな光学望遠鏡がある。
アメリカ人のローウェルがアリゾナに個人で造った天文台である。
電球に照らされた天文台の中で語り始める博士。

ローウェルの人生の物語。
実業家として成功したローウェルは、残りの人生を火星の観測に捧げた。
火星に運河があるとの観測に興味を惹かれたローウェルは、その観測のために
天文台を造り、毎夜のように火星を観測し続けたのである。
彼の残した膨大な火星のスケッチ。
さまざまな運河の模様が描かれている火星の詳細なスケッチである。

ローウェルは、火星には知的で人間と同じような人々が住んでいると結論した。
滅亡に瀕した善良な火星人の世界が、彼の想像した火星にはあったのである。
砂漠化する火星、運河も役立たず滅んでいく火星人達。

荒涼たる岩山を歩く博士は語る。
ウェルズとローウェルの、それぞれの想像が、その後の火星人像を造り上げていったことを。
博士が子供の頃読んだバローズの火星小説の内容が語られる。
幻想的で魅惑的な火星での冒険物語。
その挿絵は、さながら古代ローマかイスラム帝国のようである。
博士が子供のころ、まだ火星は夢とともにあった。

場面は、20世紀初頭のアメリカに変わる。
ゴダードのロケット開発の物語である。
独立祭の花火、そしてローウェルの仮説が、ロケット開発のきっかけであった。
高い木に登る青年がいる。
青年の目には、遠い火星への旅立ちの夢が映る。
古い記録フィルム、ロケット開発失敗の記録である。
徐々に成功をおさめるロケットの発射。
ゴダードによって、現在に続くロケットの基本技術の基礎が確立されたのである。
巨大なサターンロケットの打ち上げ風景が印象的である。

場面は、宇宙から見る地球の写真映像に変わる。
解像度を高めると、人口の構造物が見えてくることがわかる。
生物の存在を、地表の構造物を観察することで発見できることが説明される。
それは、ある惑星に文明があるかの識別方法の説明にほかならない。

火星を望遠鏡で観察することで、その巨大な運河を生物の存在と結論したローウェル。
その方法論は正しかったのである。
現在の観測器が撮影した火星の詳細な写真の数々。
そこには自然の多様な地形はあっても、人工的な運河はなかった。
観測の精度の低さを想像で補ったことが、間違いであったと博士は結論する。

バイキングの成果が語られる。
高空から撮影された詳細な写真。
そこには、クレーターや大きな渓谷があり、水の存在した痕跡がある。
火星に吹き荒れる風、砂漠と風化。
観察により生まれる新たな謎。
精巧なCG映像によって、火星の上空を飛び回る博士の乗った架空の宇宙船。
赤みを帯びた大気の中、広がる風景はグランドキャニオンのようである。

バイキングの着陸地点の選定方法が語られる。
たった2機の観測器である。
安全で退屈な地点が選ばれ、より魅力的な場所へは着陸させられなかったことが説明される。
それは、別の場所に生命が存在する可能性を示唆しているようでもある。

バイキングのよく工夫された無人自動実験装置の説明が続く。
独創的な実験装置の数々。
鮮明に撮影された地表の写真は、赤みを帯びているほかは、地球にあまりに似ている。
火星人はおろか、いかなる生命の証拠も発見されなかったことが報告される。
バイキングが映す荒涼たる風景。そのカメラが博士を捉える。
実は、テストに使われた地球上の原野の風景なのである。

生命がいたとしても、その進化には何十億年もの時間がかかることを、博士は語る。
火星に何らかの生命がいるのかどうかの何種類かの実験が行われた。
実験装置が当初想定していなかった可能性が発見されたことで、
次回の探検まで、火星に生命があるかの最終的な結論は持ち越しなのであった。

ある事実を証明するには、慎重にあらゆる可能性が検討されることの重要性が、
具体的に説明される。
ある現象が生物が存在する証拠となるか、証拠がないことが存在しないことを示すのか。
博士は、火星に生命が存在しないとは結論しない。
火星の生物は炭素を基本としない(有機体ではない)可能性を博士は否定する。
炭素ほど豊富で優れた基本元素はない理由を語る博士。

机の上に、生物を構成する元素が集められている。
次々混合していく博士。
決してそのような方法では、生物を造り上げることは出来ないことを示す、
実に分かりやすく簡単な実験である。
炭素との単純な結合が、長い年月に複雑化して、最終的に今日の人類を作ったという、
生命の誕生と進化の仕組みが改めて語られる。
そして火星の生命もあるとすれば有機体であろうことが指摘される。

次回の火星探索のアイディアが示される。
無人の荒野を移動していく不思議な車両。
自動制御で探検をするロボット車両。
赤い砂漠で火星探査の歴史と意義、そして
「火星人」を探す旅の魅力を熱く語る博士。

バイキング計画に参加した一人の科学者の物語が語られる。
懸命に開発した実験装置がバイキングに搭載されなかったこと。
南極での生命発見に、その装置が成功したこと。
そして、南極で命を落としたことが。
その物語は、火星での生命存在の可能性を印象づけるとともに、
今は亡き友人への追悼にほかならない。

砂漠を歩きながら、遠い将来の火星改造の夢を語る博士。
火星に氷として存在するはずの水を活用する方法。
火星に植物の種を蒔き、水と空気を再生させれば、
何百年かで地球のような環境を作れると語る博士。
「運河」を造るのも有効だと語る博士。
この壮大な構想力こそが、夢想家であり、現実家でもある
セーガン博士の面目躍如たるものである。
幻想的な火星を見下ろすように彷徨う映像で物語は終わる。

巻末のアップデートは、オゾン層破壊と核の冬の話である。
火星探査は、地球環境の研究に役立つことが説明される。
国際協力によって行われるべき、有人火星探査の計画の夢が語られる。
その必要性、重要性そして有用性が特に強調されている。


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発売日:2002/10/22

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