105円の本達:林望「イギリスはおいしい」

イギリスが好きだ。
それは限りなくこの一冊と出会った結果であると言って良い。
林望のデビュー作で最高傑作と言って良い「イギリスはおいしい」は、今読んでもまったく古びないで、イギリス好きの日本人を生み出し続けているはずである。
独特の堅苦しくて古くさい文体で紹介されるのは、イギリス人とイギリス文化の不思議さと面白さである。表題でわかるとおり、食べ物や料理方法を取り上げたエッセイは特に面白い。
一歩間違えれば痛烈な批判・皮肉になりかねないイギリスの習慣やイギリス人独特の考え方を鋭く切り取ったエッセイ。それが親友の愛すべき癖程度にしか感じられないのは、著者の限りないイギリスとイギリス人への愛情がそこにあるからに他ならない。
この本を読み、どうしてもイギリスに行きたくなり2週間ほどロンドンに滞在したことがある。古びて陰鬱な街も大柄で尊大な表情の人々も、昔に旅行で立ち寄った時と少しも変わっていなかったが、林望が教えてくれた視点で見るとまさにイギリスはそのとおりの国であった。
限りなく変わり続ける日本といつまでも変わらないイギリスは好対照であって、なお日本人にとって一番親近感を持てる西欧の国だと断言したい。
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イギリスはおいしい
著者:林 望 |
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