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2006/08/15

日本が危ない:大日本帝国敗戦の日

8月15日「終戦記念日」である。
すでに60年が過ぎ、太平洋戦争はほぼ「歴史上出来事」になった。

いつだれのエッセイで読んだのかも定かではないが、日本がアメリカを中心とする連合国側に無条件降伏をした昭和20年8月15日を「敗戦の日」と呼ばず「終戦の日」と名付けたことから、戦後日本の不幸が始まったと言う論説を読んだことがある。

アメリカに日本が敗れたのだと言う客観的事実が「終戦」という言葉には含まれない。「敗戦」を直視してこそ、その原因を追求できるし取り除くことができるのだという趣旨だったように記憶している。

敗戦とその戦後の出来事の数々は、左右を問わず日本の有識者に深い傷を負わせ、「その戦争」の理解について国民的コンセンサスを形成する努力は失敗した。
その間に「その戦争」を学ぶこともなく、知ることもなかった若者は増え続け、いまや国民の過半数が「戦争を知らない」のである。

明治維新後、日清・日露と対外戦争を勝ち続けた大日本帝国。帝国の臣民はその強力な軍事力を誇り、経済的繁栄を謳歌した。日々豊かになる国と自らの生活を誇る気持ちは、政治や軍事への過信と無関心を普通のものとし、国民は自ら考えることを放棄した。その結果が太平洋戦争とその敗戦である。

戦前を国民が抑圧された軍事国家であり、すべての国民が政府と軍部の独善を憎んでいたとの認識は、あまりに一面的で幼稚である。多くの国民は8月15日を迎えるまで日本が負けると思っていなかった。勝利を信じて日々を懸命に生き、政府や軍部を信頼していたのである。

戦後すぐ敗戦の反省にたって「科学する心」の重要性が説かれた。
何ごとも、自らの責任で事実を確認し、客観的に把握し、自らの意見を持つことが大切だとの指摘にほかならない。


自衛隊について。靖国神社について。隣国との関係について。「この国のかたち」について。

いったい何人の人が自らのこととして考えたことがあるのだろう。

「科学する心」は健在か?
今、声を大きくして問いかけたい。

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