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2006/08/11

日本が危ない:「失敗の本質」

失敗の本質―日本軍の組織論的研究

なぜ日本は太平洋戦争に敗れたのか。戦後、数限りない著書が執筆され出版されてきた。
日本で「戦記物」と言えば太平洋戦争の記録を指すといっても過言ではない。
元参謀、元兵士の体験談から経営コンサルタントによる組織論まで、実に幅広い内容の多数の図書が今も手に入る。
では、どの一冊がよいのか。それが問題である。
理不尽な戦争の犠牲になった戦友達への哀悼のために書かれた書物は、感傷的でそれなりに得るものはある。戦略や戦術を企業の経営戦略に反映させようと書かれたものは、平成の今となってはかえって解りにくい。

この一冊は副題に「日本軍の組織論的研究」とあるとおり、いくつかの重要な作戦において日本軍の戦略や戦術がどのような考えや人間関係によって決定されたかに焦点をあてて研究している点が独創的である。それを関係した個人のパーソナリティーの問題ではなく組織と役職・立場の違いから解明している点が、今読むに値する一冊としているのである。
第二章で帰納法的に日本軍の組織や日本人の考え方の特徴を抽出し、第三章において現代における教訓を導きだすことに成功している。
結論は、日本人も日本人が作る組織も何も変わっていないということである。
国を滅ぼし多くの国民の生命が失なわれた太平洋戦争から、われわれ日本人は何も学ばなかったのだと知ることは、とても悲しい。


失敗の本質―日本軍の組織論的研究 失敗の本質―日本軍の組織論的研究

著者:戸部 良一,寺本 義也,鎌田 伸一,杉之尾 孝生,村井 友秀,野中 郁次郎
販売元:中央公論社
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