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2006/11/24

105円の本達:宮部みゆき「心とろかすような マサの事件簿」

心とろかすような―マサの事件簿

再び宮部みゆきなのです。
初めて読んだ一冊がなかなか良かったと言うことで、気にして探していたらこの一冊があったのです。
初期の短編小説で、とある小さな探偵社が舞台、狂言まわし役に元警察犬だったジャーマンシェパード。「犬目線」で綴られる探偵ものなのです。
こう書くと「なかなか面白そうじゃない!」と言う感じなのですが、結果は残念。

父親と姉妹、そしてシェパード。扱う事件はどちらかと言えば小さな日常的な事件なわけですが、素材も舞台も悪くないものの、細やかな描写は筆力不足を感じるしストーリー展開もギクシャクとしています。犬目線と言う目の付けどころは良いものの、小説家としての未熟さが目立つ結果となってしまっています。アマゾンサイトのレビューは好意的なものが多いのは意外だったのですが、いわゆる宮部ファンの多さゆえかなと。

どちらかと言うと評価が定まった作家の小説しか読まないため、今まで気がつかなかったのですが、小説家は「うまくなっていく」のだと本作を読んで改めて感じます。
処女作から文句のつけようのない作家は、やはりごく一部の天才だけなのだなと改めて気がつきます。
宮部みゆきの最近の作品は、間違いなく現在活躍中の作家のなかでは一級品なのです。その初期の小説が、水準以上とは言えこの程度とは、ある意味驚きだったのです。

心とろかすような―マサの事件簿 心とろかすような―マサの事件簿

著者:宮部 みゆき
販売元:東京創元社
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