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2007/01/26

BraveDVD:「インストール」

インストール スタンダード・エディション

久しぶりにご紹介に値する邦画を見た。
年末に自動録画されていた「インストール」である。
改めてDVDで見ても、やはり良い。

上戸彩が可愛い!
とか
Macそれもカラクラ(カラークラシック)だ!
とか言うのではない。
まあ、それもあるが。

何と言っても、その「同時代性」が良い。
21世紀初頭。日本それも東京のニュータウン。今やごく当たり前の母子家庭、登校拒否の普通の女子高生。
地域も超えず、時代も超えない、非普遍性の極致。究極の特殊性。そんな同時代性。

上戸彩演じる高校生が使うパソコンが、なぜ10年は古いカラークラシックなのか。インターネットの接続がダイアルアップ接続なのかなど、同時代ゆえに感じる不自然さもなくはない。(たぶん監督の思い入れなのだろう。)
しかし、その程度は長い時間の中では誤差の範囲である。

今と言う時代の「空気感」がそのまま封じ込められた作品は貴重である。
優れた感受性、鋭敏で繊細な感性が抽出した時代の断面が映像化されている。
そこには、現代日本の病理現象の本質さえが切り取られている。

初めて見たのに、どこかで見たような不思議な感じが残った。
「家族ゲーム」である。
80年代森田監督が松田優作主演で撮った伝説の作品。
あの時代、まだ一般的ではなかったが、今や日本の病理現象として一般化し深刻化した教育と家族の問題を扱った作品である。
「家族ゲーム」が描き出した家族像と教育制度の欠陥が、正しく認識され政治的・社会的に正しく対処されていれば、今日の日本の不幸の一つは確実に存在しなかったはずである。

どちらもコミカルな味付けの娯楽作品である。
それでいて秘められたテーマ、問題意識は深い。
しかし、この作品が提示した学校と教育の病理が多くの観客に認識されているようには思われない。

何年かして、「インストール」が描きだした病理が、どう一般化し深刻な社会問題化しているかを思うと、少し怖い。


追伸:

ゆとり教育の見直しを軸とする教育改革案なるものが公表された。そのあまりの前時代的内容に愕然とする。教育の専門家・有識者が今日の教育荒廃の原因も、子供達のことも全くわかっていないことが、よく解る。授業時間を増やしても、教師の体罰を合法化しても状況は悪くなるだけだと何故わからないのか?要するに「インストール」は、それを見るべき人に見られていないのである。


インストール スタンダード・エディション インストール スタンダード・エディション

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
発売日:2005/04/29
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