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2007/06/29

BraveBook:木村尚三郎「ご隠居のすすめ」

ご隠居のすすめ—人生の自由時間を豊かに生きる法


ご隠居関係本を読むこと1月あまり、ようやく「それらしい」本です。

第一部「ご隠居のすすめ」第二部「ご隠居の生活指南」
第一部で歴史などにも触れながら、ご隠居の今日的意義を説きます。
第二部では、晴れて「ご隠居」となった際の衣食住etcの心構えなどを書き綴っています。
一読すると「なるほどね」と納得。
もう一度よく読んでみると「?」のところも多数。

どの「隠居本」もそうなのですが、老後は誰にとっても「たった一回の経験」なわけで、属人的な部分が非常に大きいのが、その最大な理由でしょう。
要するに少しも論理的でなく感覚的であるところに、大きな弱点があるのです。
しかも著者は大学教授を引退して悠々自適の「隠居生活」をおくる恵まれた環境にいるのですから、ただのサラリーマンが年を取ったのとは違います。

そうは言っても、一読する価値はあります。
定年退職を控え、まだどうすれば良いかが実感できない貴方にお薦めします。
ちなみに、発行は1997年ですが既に絶版となっているようです。


木村尚三郎著
「ご隠居のすすめ」
PHP研究所刊



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2007/06/22

BraveBook:嵐山光三郎「「不良中年」は楽しい」

「不良中年」は楽しい

嵐山光三郎と言えば、むかし「笑っていいとも増刊号」でMCをやっていました。
そんな時代を振り返って、自らの「中年からの不良体験」を綴ったのがこの一冊。
そのほかにも「不良中年の先達」を紹介しつつ、不良の薦めと不良の条件をまとめあげています。
文章は、さすがに専門家だけあって巧いです。
でも、内容は「薄い」です。
雑誌連載を纏めていることもあって、話の重複などもあって、残念ながら万人向きの「不良のススメ」とまでの完成度はありません。
出版は1997年。
いまどき話題の「ちょい悪オヤジ」を先取りしているところもありますが、なんとなく古くさい「不良中年像」が歳月を感じさせます。

「不良中年」は楽しい Book 「不良中年」は楽しい

著者:嵐山 光三郎
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007/06/15

105円の本達:ジミー・カーター「老年時代」

老年時代—だれも気づかなかった33の美徳

アメリカ大統領史上、現職でありながら唯一再選を果たせなかったジミー・カーター元大統領の著書です。
原題は「老年の美徳」、こちらのほうが内容をより良く表しています。

予想外の大統領落選、その後何に生きてゆく価値を見出したのか。その心の変化が綴られています。

その後のカーター元大統領の平和や人権などの広範な活動は良く知られていますが、細かな活動などを記述しているわけではありません。

親戚や友人などが現役を退いたのち、どのように生きたかなどを集めることで「帰納法的」に人の生き方を素直な文章で語っています。

とかく「退職後の生き方マニュアル」的になりがちな、日本の同種の本とは一線を画しています。

何より「古き良きアメリカ」に生まれ育ったアメリカ人の健全な「人生観」の片鱗を感じることができる一冊でした。

老年時代—だれも気づかなかった33の美徳

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2007/06/08

105円の本達:赤瀬川原平「老人力」

老人力 全一冊

少し思うところがあって「老年」「余生」「ご隠居」「生きがい」などをテーマにした105円本をまとめ買いしました。
最初に読んでみたのが、このインパクトある真っ赤な装丁の「老人力」
著者は路上観察学界の長老、赤瀬川原平氏。
論理的か科学的な「高齢者」「熟年」への考察を期待したのですが、結果は「残念!」なのでした。

要するに、雑誌に連載された「老人の戯言」ですよ、これは。

105円コーナーに数冊があったことを考えると、多くの賢明な読書家はそれを知っていたに違いありません。
老人ならではの、よくありがちな失敗談が、ただただベタに綴られています。

この一冊を読んだ唯一の収穫は、泉麻人や中島らも、林望そしてボブ・グリーンなどエッセイ・コラムの名手は「凄い」と再確認できたことです。
偶然出会った何でもない出来事から「感動」や「可笑しさ」や「教訓」を引き出してくるのは、やはり非凡な才能と文章力の賜物なのです。
そんな意味で、還暦を迎え「老人力」を身につけた泉麻人のコラムが今から楽しみではあるのです。


老人力 全一冊 老人力 全一冊

著者:赤瀬川 原平
販売元:筑摩書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007/06/01

BraveBook:景山民夫「リバイアサン1999」

リバイアサン1999

21世紀を目前にした90年代。
長引く不況の影響もあってか終末論が一時人気でした。
装丁からして雰囲気満点のこの一冊、幸福の科学の信者でもあった景山民夫流終末論です。

破滅的な天変地異を乗り切り、より良い文明を再興した人類。
世紀末をテレビ局のディレクターとして迎えた女性が、現代文明の終末を振り返る形で展開する小説は、景山氏得意のアクションと気取った会話が魅力的です。

何の劇的な出来事もないまま、平穏無事に21世紀を迎えてすでに7年。
「到来しなかった未来」の幸せを実感して読んでも良い一冊でしょう。

リバイアサン1999景山民夫著「リバイアサン1999」
1993年 集英社刊

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