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2007/08/04

政策原論:権力に執着するリーダーを危惧する

参議院選挙の大敗にも関わらず安倍首相の続投が決まった。

確かに法律論から言えば衆議院の意志で首相は決定され、参議院の意志に優越する。
従って「参議院選挙の敗北=退陣」とならないことは明らかである。
議員内閣制ゆえの制約として、国民の意志は代議士を選ぶことで間接的にしか示されないことも、もどかしさの理由である。

しかし、前首相が獲得した「支持」を基盤とする衆議院の自民党圧勝と、自らへの「不支持」が表明された直近の参議院選挙での自民党惨敗は、単なる法律論を超えたところで理解されなければならない。
いやむしろ、リーダーが積極的にその意味を理解して行動しなければならない。
参議院議員選挙への国民の投票が、何に対する意思表示なのか敏感に感じ取れない時、権力は独善化し国民から遊離する。
それはすなわちリーダーによる民主主義の否定(無理解?)の始まりに他ならない。

選挙の大勢が判明するや安倍首相は何の躊躇いもなく続投を表明した。
選挙の敗北の責任が自らにあると認めながら、選挙結果を受け止め政権を維持し政策を推進すると発言した。
いかなる論理構成をもって、その結論がでるのか?
選挙速報の実況解説をしていた、時の権力者に遠慮しがちな政治評論家でさえ、戸惑いを隠せない様子であった。

推測するに安倍首相はこう考えたのだろう。
「自分は小泉首相の正統な後継者として衆参両院で圧倒的支持で選ばれた首相である。これまで推進した政策は、頑迷な野党の反対はあったが国民の意志の結果である衆議院の支持のもと相当程度法案化した。憲法改正など今後推進すべき重要な政策もある。今回の敗北は、自分への不信任ではなく、大臣の不祥事やまさにこれから改革しようとしている国家官僚の怠慢の結果にほかならない。国民は愚かで自分が行おうとする重要なことにではなく、目先の些末なことで反対票を投じたにすぎない。真に重要なことを行おうとすれば反対はある。それを乗り越えた時、愚かな国民は初めてその意味を知り感謝する。その大切なことが唯一わかっている自分は、潜在的に国民の支持を受けるに値する。従って退陣をする必要など一切ない。」

本当であれば実に独善的で貴族主義的で鼻持ちのならない論理である。
首相自らが論理的に語らず、マスコミも評論家も論理的背景を問わない「平和なる日本」では、首相の真意は残念ながら不明なままである。

いかなる論理によるにせよ、安倍首相の政権=権力への執着は異常である。
正義さえそこにあれば、権力の正統性まで犠牲にしかねない愚かさがある。

政治的リーダーが、自らの権力に執着することは危険である。
それは独裁への誘惑と表裏一体のものである。
権力に執着したリーダーは、あらゆる手段による政敵の排除、選挙制度の変更(ゲリマンダー)、民主主義的活動の抑圧を図る。
洋の東西を問わず、過去何回も繰り返された愚かで悲しい歴史である。

独裁の芽は小さなうちに徹底的に摘まなければならない。
参議院選挙に勝利した野党がまず取り組まなければならないのは、それである。

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» 安倍首相辞める必要無し(小さな政府を目指すべき) [JJ雑記]
参議院選挙は安倍首相にとって散々たるものでしたね。結果はわかっていたことでしょう [続きを読む]

受信: 2007/08/05 14:46

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