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2007/08/05

新献策十講:政策献策のすすめ

参議院で与野党逆転が実現した。
すなわち政府自民党が衆議院で法案を通過させても、参議院が否決すれば法律は成立しない。
この状況は土井党首時代の社会党にもあった。それは消費税反対の国民世論が実現したものだった。
しかし、衆参両院の多数党が異なる状況は、多くの国民の期待に反して政治的には何ものをも生むことはできなかった。
衆議院での採決、参議院での否決。
従来と同様に立案される法律案に対し、野党は対案を立案する能力を持たず、ただ反対をするばかり。
衆議院が優先するものは、無意味な両院協議会を経て与党案が成立。
与野党の話し合いと協議の土壌は生まれず、いたずらに国政の停滞を招いただけであった。
不安定な連立政権と政界の再編。
しかし、基本的な政策の転換はなく、あの特異な小泉政権に至って政治主導の政策転換が初めて実現した。

その根本的原因は政治=政党の政策立案能力の欠如にある。
与党=自由民主党の政策とは、国家官僚組織が生み出すものにほかならない。
与党が代表する支持母体の利害を巧みに取り入れつつ、国家の政策を立案し法案化するのが霞ヶ関国家官僚の本質的役割なのである。

国家官僚による政策立案の独占。
それこそが、明治維新いや徳川幕藩体制から一貫した日本の政治システムの特徴なのである。

異なる理念や利害に基づく複数の政策案から、より良いものを民主的手続きで選ぶ。
それが少なくとも西欧諸国が目指した理想の政治であり、議会制民主主義である。
それにも関わらず日本だけは、国家官僚=行政府が政策立案を独占する特異なシステムのもとにある。

参議院で第一党となった民主党、そして衆議院第一党の自由民主党とも、この状況下で行うべきことは、独自の政策立案機能を徹底的に強化することである。

政策立案とは、緻密で複雑で難しくしかも技術的な作業である。
調査や統計に基づく緻密な分析、国民や利益団体の潜在的ニーズの発見や調整、最大多数が是とする具体的法案の作成。
霞ヶ関の優秀な人材が大挙して分野毎に分担して日夜行っている作業に他ならない。
わずか数人の政策秘書や政党スタッフが、片手間に行える作業ではない。

ではどうするか?
外部機関やスタッフを活用するべきである。
民間シンクタンクが主たる受け皿となる。大学の実践的学者を活用するのも良いだろう。
長く政策立案を国家が独占した結果、日本におけるこの分野は未発達であることは否定できない。それならば、欧米を中心に多数ある政策立案を専門とするシンクタンクを活用すれば良い。これは国家の安全を云々する問題とは異なる。「何をしたいのか」が明確であれば、客観的データをもとに技術論的に政策は立案できるからである。

野党が早くそれに気づき、国家官僚が作り上げる与党案に反対するだけでなく、評価に値する対案を提出できるようになれば「政治は変わる。」
将来的、長期的には内部スタッフを充実することも必要である。
しかし、まずは「金で片がつく」ことは「金で方をつけて」、参議院第一党に相応しい国民が歓迎する一派な「政策群」を作り上げる必要があるのである。

政策を買うことは、欧米特にアメリカでは当たり前のように行われている。
特定の政策分野毎にマニフェストそのものを購入し、専門家を雇用する。
まずはそれで良いのである。
国家官僚が、税金という潤沢な資金と多数の優秀な人材を動員して作りあげる政策群は、一般の国民が考えるより「遙かに良く出来ている」からである。
戦後日本の成功はそれの否定することが出来ない証拠である。

その対案を作ることは、従って至って困難な課題である。
議会に属すべき法律立案機能であるから、参議院の法案作成スタッフを大増員することも一つの方法ではある。しかし、行財政改革が国民に支持される状況で、それは難しい。
まずは、政党が自らの資金を使って外部シンクタンクから望ましい政策とスタッフを調達するのが良い。

献策は現代アメリカでも古代中国でも、新しい政権が生まれる度に行われてきた。
「すばらしき新世界」でも次回から微力ながら、国民が望むであろう政策群をアイディア段階のものも含め提示してみたいと思う。

法案化などには、費用と人材が必要である。
与野党問わず、それを提供していただけるなら、自ら手掛けてみたい気持ちはある。(政策の購入や「召し抱え」の希望があればコメント欄にご記入ください。)

本来、アイディアも重要な売りものだが、ここは日本の将来のため無料で公開するので、各政党関係者の方に自由にご活用いただきたい。

いずれにせよ、広く在野の人材、そして政策案を募ることこそが必要であり重要であることを認識しなければならない。

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