« 東京写真蔵:旧丸ビル 1996/12/25 | トップページ | 東京写真蔵:渋谷センター街 2001/01/07 »

2007/10/24

BraveBook:瀬島龍三「大東亜戦争の実相」

大東亜戦争の実相 (PHP文庫)

      

買ったきっかけ:
前回に引き続き「戦前レジューム」を理解するために日本帝国陸軍参謀だった瀬島龍三氏の語る太平洋戦争勃発の真実を勉強してみました。瀬島氏は戦後も実業界で長く活躍しましたが、先日亡くなったことで書店に何冊も著書が並んでいます。

感想:
軍参謀(英語ではスタッフ)は戦後その存在や役割が忘れられてしまいましたが、日本の頭脳とも言える秀才や天才の集団です。霞ヶ関の官僚群と似た人種ですが、日本全国から選抜され軍事作戦に特化して養成される軍参謀は、戦前日本の進路を実質的に決定していたと言えるでしょう。
この本は講演を基に書き下ろされていますが、太平洋戦争に至る複雑な状況の変化が驚くほど簡潔明解に整理されています。その能力こそが高級参謀の本質のように思われます。ここに書かれていることが事実であるかは若干の疑問があります。いかに情報収集と分析に長けていても、立場による制約を逃れられないからです。戦争時に参謀本部に勤務していたがゆえに語ることができない真実や事実があることも十分推測できます。
しかし、瀬島氏が語る事実は破綻しません。教科書史観とは異なる太平洋戦争への道が解説されています。

おすすめポイント:
本書冒頭に太平洋戦争ではなく「大東亜戦争」と呼ぶ理由を筆者自ら語っています。全編にわたって瀬島氏に視点によってすべての事実が構成され因果が整理されていきます。
ここに語られることを真実として学ぶのではなく、他の人々が語る真実と付き合わせることで「歴史の真実」の多面性や複雑さが理解できるのでしょう。
ここに語られるのは事実だけです。後悔や反省はありません。失われた将来はもはや取り戻せないと考えているからでしょうか。
しかし、参謀は戦争を考え決断した「責任者」ではないのか。その責任者が「責任」を感じない。どこか安倍元首相の思考方法と共通する何かを感じるのです。

大東亜戦争の実相 (PHP文庫)

著者:瀬島 龍三

大東亜戦争の実相 (PHP文庫)

|

« 東京写真蔵:旧丸ビル 1996/12/25 | トップページ | 東京写真蔵:渋谷センター街 2001/01/07 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/46036/8406530

この記事へのトラックバック一覧です: BraveBook:瀬島龍三「大東亜戦争の実相」:

« 東京写真蔵:旧丸ビル 1996/12/25 | トップページ | 東京写真蔵:渋谷センター街 2001/01/07 »