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2008/01/19

BraveBook:安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN -ルウム編・前-」

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13)

      

買ったきっかけ:
開戦とともに電撃戦を勝利したジオン軍。悪魔の作戦といわれるコロニー落とし、そしてルウム会戦へと物語は展開していきます。

感想:
シャアが戦艦5隻を撃沈し、レビル将軍が捕虜になるほど地球連邦が壊滅的敗北を喫したルウム会戦。ファーストガンダムで何回も語られることはあっても、その詳細は不明でした。
いよいよオリジンで全貌があきらかになります。
コロニー落としの現地指揮官は意外にもドズルでした。作戦を命じられるのはランバ・ラル。毅然と拒否するラルですが、それが原因で予備役に編入されてしまったようです。場面はジオンの作業がすすむコロニーに。自らの故郷であるコロニーを守ろうとする純粋な若い恋人達。その純真な心はあえなくジオンの毒ガスにより消え去ります。あのオープニングの印象的なコロニー落下場面がより現実味を帯びて描かれます。コロニーは分解し、連邦中枢であるジャブローを直撃することに失敗します。
ルウム会戦にカスタム仕様のモビルスーツで臨むシャアと黒い三連星の因縁めいた会話。医療ボランティアとして働くセイラの基に義父の心臓発作の知らせが届きます。懐かしいウエスタンコロニーに戻ったセイラを反ジオンの暴徒が襲います。義父を兄を失ってもはや一人となったセイラは、決心したかのように敢然と暴徒を撃退するのです。
ルウムの戦場に向かう兵士達。シャアのモビルスーツ隊によるルウムの奇襲。圧倒的な地球連邦の兵力の前にギレン・ザビが立案した逆転の秘策が実行されるのです。

おすすめポイント:
漠然と遠い宇宙の物語になりがちなコロニー落としが、そのコロニーの住民さらに二人の恋人のドラマを絡めることで、急に現実の物語になるのです。その悪魔の作戦の意味が、毒ガスにより殺害されるコロニー住民の姿を描くことで明確になるのです。
戦いの場に赴く兵士達。軍を統べる将軍、若き士官、一兵士、そのそれぞれを描きだすことで戦争の真実を実感あるものにしています。安彦氏の天才はそんなところにあるのでしょう。
ルウムから避難する宇宙船。これまでも度々登場しているジオン・ジオニック社の宇宙船は、どこかナチスドイツが世界に誇ったツェッペリン社の硬式飛行船を彷彿させるデザインで、追われるように避難する群衆は、ヨーロッパの迫害を恐れて大西洋を渡ったユダヤ人のようであるのは、偶然ではないのでしょう。
遠い宇宙の空想の物語にリアリティを持たせるレトリックとして実に優れた作画だと本当に関心してしまうのです。
登場人物の豊かな感情、そして過去の歴史の一場面を彷彿させる情景描写が、安彦漫画の真髄なのです。

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13)

著者:安彦 良和,矢立 肇,富野 由悠季

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13)

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