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2008/01/11

BraveBook:安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア・セイラ編・前-

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(9)

      

買ったきっかけ:
いよいよ本編からアニメシリーズでは描かれることのなかったオリジナルストーリーが展開していきます。
いかにも説明不足の「赤い彗星」の出生と生い立ちの謎が明らかになっていくのです。
アニメ・ガンダムを知らない人が読んでも納得の素晴らしい出来なのです。

感想:
スレッガー中尉。ミライの初キスを奪ったチョイ悪兵士のセイラへのあの一言「あんた男のことで悩んでる相がでてるぜ」が物語を過去へと一気に遡らせます。
宇宙世紀0068、ジオン・ダイクンの死の年へと。
猫耳をつけた可憐なお嬢ちゃまのセイラ、半ズボンの三揃えの聡明そうなシャア。否、アルテイシアとキャスバルが登場です。後のジオン公国、ムンゾ自治共和国が舞台の物語です。ダイクンの死とともに、若き日のデギン・ザビ、ランバ・ラルの父で有力政治家のジンバ・ラル、そして美しきアストライアが繰り広げる政変劇。アストライアと幼い2人はランバ・ラルの手でラル家への避難します。途中で騎馬姿の勇ましきキシリアの応援もあって。ザビ家には今回初登場のサスロが政治の中枢を握っていて、キシリアやドズルとは微妙な関係なのです。
幼きキャスバルとキシリアの緊張あふれる対決があり、アストライアとともに自宅軟禁寸前でのキャスバルとアルテイシアの地球への脱出劇がハイライトになります。短い言葉では言い表せないほどの緻密なストーリー展開と印象的な場面が満載なのです。

おすすめポイント:
安彦氏の非凡さを思い知らされる一巻なのです。ダイクンの死と政変は旧ソ連・東欧の政変を思い出させ、ダイクンの葬列に敬礼するキャスバルはケネディ大統領の葬列をモチーフにしたことは明らかです。よく有りがちな正妻の妾への嫉妬と仕打ち、古城の塔への幽閉。
そんなありきたりで陳腐な設定が、さもありなんと説得力を持って感動を作り出していくのです。
若きランバ・ラルは正義漢を漲らせた青年将校で、ハモンはどこか謎めいた酒場の歌手。ダイクンの妻となったアストライアも同じ酒場の歌手仲間なのです。
ランバ・ラルはユーモアもあり人望も厚い好人物。若きキシリアも思いのほか真っ直ぐで実行力のあるやはり将校。しかもどうやら実兄を爆殺した首謀者のようです。
後半、連邦軍士官に変装したハモンの手引きでの脱出行はそのままハリウッド映画の一場面になりそうな見事なアクションシーンに仕上がっています。
言うまでもなく、父を失った幼いキャスバルとアルテイシアの逃避行が物語の最大のテーマなのですが、ラルとハモンの重ねて来た日々と育んで来た愛がもう一つのテーマに違いありません。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(9)

著者:安彦 良和,矢立 肇

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(9)

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