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2008/03/13

BraveBook:和田竜「のぼうの城」

のぼうの城

      

買ったきっかけ:
どこかとぼけた表紙が印象的なこの一冊。
歴史小説としては短編と言って良いでしょう。

感想:
時代は天下統一目前の太閤秀吉の時代。
場所は現在の埼玉県は行田市。
小田原・北条氏が支配する関東一円の攻略にいよいよ着手した秀吉だが、田舎の一支城に過ぎない行田忍(おし)城攻めに苦労するというお話しなのです。
ストーリーは単純明快、登場人物も歴史小説としては異例なほど少数。
よって、スピード感あふれる軽快な小説になっています。
主役は「のぼう様」と呼ばれる若き城主とキャラ強めの田舎武将達。
「のぼう様」とは「でくのぼう」の「でく」が取れて敬称の「様」が付いたもの。
しかも、そう呼ぶのは城下の庶民達。
どうみても武将失格、武士失格の無能な「のぼう様」が実は忍城の勝利の鍵なのです。
読み始めてすぐストーリーが解ってしまうほどの単純な物語なのですが、なぜか最後まで読んでしまうのは、これが初小説の筆者の才能なのでしょう。

おすすめポイント:
単純で明確なストーリーはかえって魅力的です。
司馬遼太郎風の歴史小説にありがちな膨大な背景描写も心理描写もなく、時空を超えた蘊蓄(うんちく)の披露もないことが、実に解りやすい小説を生み出しているのです。

でも、表現力と情報量豊かな劇画漫画に馴染んだ若い読者には、登場人物の描き込みが少ないことが物足りないかもしれません。

たまにはこんな小説も良いものだと思います。

のぼうの城

著者:和田 竜

のぼうの城

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