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2008/05/04

BraveBook:馬場喜信「浜街道」

浜街道—「絹の道」のはなし  かたくら書店新書

幕末から明治、日本にも「絹の道」がありました。
横浜と八王子を結ぶ道。
いまでは、ほとんど道筋を辿ることもできない、約半世紀だけ隆盛を極めた道です。

忘れ去られた「絹の道」別名「浜街道」が再発見されたのは、ほんの数十年前。
多摩ニュータウンの一画の丘陵地。
幹線道から外れていたために、往年のままの街道がわずかに残っています。

この本は、それ歴史、地理などを中高生向けに書いたものですが、実に簡潔でガイドブックとしても良くできています。

幕末の横浜開港の主役は絹、正確には生糸でした。
江戸時代から八王子に集荷され、江戸(東京)に出荷されていた生糸は、横浜貿易が開始されると浜街道により出荷されるようになります。
その主役となったのが浜街道の中程にある鑓水商人。
有名な横浜の原三渓など「売り込み商人」に生糸を売って、彼らもまた莫大な富を得たのでした。

巨富を築いた鑓水商人は、三多摩から秩父地区の繁栄の基盤でした。
幕末に活躍した新撰組。明治初期の自由民権運動。
すべては幕末の生糸貿易と密接に関係しています。

明治17年。その繁栄は突然終焉をむかえます。
歴史教科書には多くは語られない、その理由は謎が一杯です。
ともかくも、その年を境にして横浜、八王子、秩父を結ぶ「線」と繁栄は消え去ってしまうのです。

横浜暮らしを機会として、最近その「謎」を解明しようと研究を始めています。
ぼんやりと浮かび上がってきたのは「政治の影」。
歴史教科書が原因とする「欧州の生糸不況」はどうやら幻のようです。
幕末の動乱を発端とする旧幕府勢力と明治新政府の確執。商売敵・高崎地区への明治政府の強力な肩入れ。司馬遼太郎なら波乱万丈の大河小説の一つも書き上げるであろう、意図的に隠された「真の歴史」が見えてきつつあります。
研究成果は、いずれこのブログで発表しましょう。

まずはこの一冊で横浜にあった「絹の道」の基礎知識を学んでみていただきたいと、ご紹介します。

浜街道—「絹の道」のはなし  かたくら書店新書




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