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2009/01/07

BraveDVD:荻野目洋子「NEW FASHIONED LOVE SONGS」

90年代に入って新たな方向性を模索してきた荻野目洋子ですが、その結論は「70年代リバイバル」でした。
60年代中頃から70年当初のオイルショックまで、大量生産・大量消費のアメリカ文化が一番輝いていた時代のポップでサイケデリックな文化現象の再現です。

アンディー・ウォーフォールに代表される原色の組み合わせと奇抜なデザインを特徴とするファッションからライフスタイルまでの総合的文化スタイルは、ほんの一時ですが圧倒的なパワーで世界を支配しました。

オイルショックとベトナムの敗戦により消滅した「20世紀物質文明のアダバナ」が、バブル時代の日本の感覚にマッチしていたということでしょう。

当時、急速に進歩したデジタル技術を駆使した徹底した画像処理により、今見ても新鮮なビジュアルが生み出されています。そのまま、現代のクラブのスクリーンに投影しても何の違和感もなく受け入れられるように思われます。逆に言えば、広く受け入れられるにはあまりに早すぎた作品とも言うことができるでしょう。

ごく普通の家庭にすら、高画質の大画面液晶テレビと高音質サウンドシステムがある今だからこそ、そのパフォーマンスが十分堪能できるビデオなのです。

あえて難をいえば、あまりに凝った映像処理ゆえに肝心の荻野目洋子の姿がほとんど「見えない」ことでしょう。ある意味、これは当時のアイドルPVとしては致命的欠陥と言えます。ほとんどのファンは荻野目洋子を見たいのであって「芸術作品」を見たいわけではないのですから。

じっくり見ると「素材」となったPV(プロモーション・ビデオ)そのものは本格的に撮影された極めて出来の良いものです。再編集すれば今でも十分に鑑賞に耐えるものだけに、素材が残っているのならばぜひディレクターズカットとして、再発売してほしいものです。

実験的PVの後ろに2曲分の「カラオケ」映像、そしてコンサートのアンコールと思われるアカペラ1曲と、PVとしては中途半端な構成も残念ですが、他のビデオでは決して見ることの出来ない荻野目洋子の魅力的な表情を見ることのできる貴重な1本と言うことが出来るでしょう。

決定的に残念なのは、そのイメージチェンジとほぼ同時にバブルが崩壊したことです。フワフワとした幸せで猥雑な雰囲気が消え去るとともに、サイケデリックな70年代リバイバルも消滅してしまいました。荻野目洋子までもが「消滅」してしまったことは、日本のミュージックシーンにとって悔やんでも悔やみきれない損失だといってよいでしょう。

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