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2009/02/20

BraveDVD: 「ブレードランナー BLADE RUNNER」

哲学的な映画といえば、リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」を外すわけにはいきません。
ハリソン・フォード演じる捜査官とレプリカントとの死闘。その壮絶なアクションシーンや、レトロフューチャーと称されることもあった不思議な現実感がある未来社会の造型が公開当初から話題となった映画です。
その「哲学的主題」はほとんど直接には示されていないので、あえてそう思って見ないと気がつかないほど微弱なものです。
その宗教的で深淵なテーマは「人は何の為に生まれてきたのか」「人は生命の創造を許されるのか」ということでしょう。

遠く離れた惑星での労働に従事させるために、ティレル社の先端技術により「生み出された」サイボーグである「レプリカント」。
「自我」が芽生える前に寿命が尽きるように「設定」されている、人間が造りあげたの「人間」。
神が生み出した「人間」もまた有限の寿命を持つ訳ですが、その2種類の「人間」は異なっているのか否か。
神が生み出した人間に、人間が生み出した人間が勝利する寸前に、レプリカントの寿命が尽きるのです。

今見ても斬新な映像はDVDコレクションに加える価値が十分です。
その幻想的な映像を見ながら、深淵なテーマを考えてみるのも良いと思うのです。


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2009/02/13

BraveDVD: 「タイタニック TITANIC」

感動的な美しい歌声のテーマソングが、すぐ思い浮かぶ映画といえば「タイタニック」でしょうか。
そして、艦首の手すりに両手を広げて「空を飛ぶ」カップルの姿。

洋画のDVDは本当に安いのです。
全世界を市場にしているがゆえの量産効果と、様々な付加価値を加えてのリセールの結果なのですが、「タイタニック」も美しい装丁と特典ディスクが2枚もついたアルティメット・エディション盤が、特売とはいえわずか1000円で売られていました。

DVD版の特徴といえば、劇場公開時とは異なった編集がされたディレクターズカット版やオリジナル全長版が収録されていること。
今回購入した「タイタニック」も本編3時間以上(195分)の超全長版なのです。

公開時に一度見た映画ですが、改めて全長版を見るとまるで別の映画です。
随分と前で細部の記憶があいまいになっていることも多少はあるのでしょうが、ストーリー展開など脚本が思った以上に良く練られていることを感じるのです。
「お嬢様とアイルランド移民のラブストーリー」との印象ばかりが強かったのですが、その背景にある「格差社会」と新旧貴族階級の奢り、その象徴としての豪華客船タイタニック。その沈没が象徴する「最後の審判」。
即物的な合理主義でありながら、キリスト教の影響から完全には離れられないアメリカ人に向けたジェームス・キャメロン監督のメッセージが込められた映画と言えるでしょう。

沈没寸前、垂直に持ち上がるタイタニックの後部甲板。
そこから力つきて次々墜落していく船客達。
あえて俯瞰で撮られた画面は、システィナ礼拝堂の「最後の審判」そのものです。
凍るような暗い海に投げ出された船客。
ようやく救助に戻ったボートの乗員の電灯に照らし出される「無数の凍り付いた死者の顔」の静かなメッセージ。

タイタニックの沈没現場を訪れた老婦人が、思い出の巨大なダイヤのネックレスを海に投げ入れてしまう意図は何だったのか?

 

特典ディスクに収録された削除シーン(DelatedScines)を併せて見ると、監督がこの映画で伝えたかったメッセージがより鮮明になっていきます。

たかが子供向きのマンガ程度の存在であったアニメ映画を「哲学的主題をも扱う」存在にしていまう日本人の感性からは、やや即物的すぎる感じは否めませんが、日本の同盟国アメリカの人々の物の見方や考え方が理解できると思えば、それはそれで良いのでしょう。

最新作ばかりをレンタルしてしまいがちですが、時を超えてあらゆる時代の人々に普遍的なメッセージや感動を伝えてゆくのが「名画」の名画たる所以です。
多少疑問があっても1000円なら、それを自ら確かめる価値があるでしょう。
ちょっぴり前の話題作。そんな鑑賞方法も試してみてほしいのです。

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2009/02/07

BraveDVD: 「BAYSIDE SHAKEDOWN2 踊る大捜査線 THE MOVIE2」

日本の刑事物ドラマと言えば「太陽にほえろ」「あぶない刑事」など数々ありますが、どれも前回紹介した「フレンチコネクション」に強い影響を受けていることは指摘するまでもありません。
21世紀になってようやく日本独自の展開が見られたのが、今回ご紹介の「踊る大捜査線」シリーズです。わずか1クールのテレビドラマシリーズであったにみ関わらず、春秋の特別番組、2本の映画、スピンアウト企画が数本と根強い人気を誇っています。
どこか位置どりがはっきりしなかった織田裕二を大看板に押し上げたのが、このシリーズです。

DVDで今見ても、どれも良くできていて楽しめるのですが、どれか1本をと言われれば、この「BAYSIDE SHAKEDOWN2」がお薦めです。
ちょっと遊び過ぎのMOVIE2の冗長なシーンを大胆にカットして、音響効果を抜本的に作り直しています。
スピーディーで日本映画としては大掛かりな仕掛け、娯楽大作として完成度が高い作品になっています。

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2009/02/01

BraveDVD:「フレンチコネクション」シリーズ

ダイハードのブルース・ウィルスを見ていると、いつも思い出すのがジーン・ハックマンです。

刑事という地味な存在が、見事にアクションドラマになることを世間に知らしめたのが「フレンチコネクション」でした。

高架鉄道を追跡するアメ車。激走そして激走。
塀に激突しようが、ボコボコになりながらも追跡は終わりません。

ニューヨークの街、地下鉄を舞台とした尾行劇も、もはや定番中の定番になりました。

この名作も当然DVDが発売されています。音声も5.1chになって、改めて見直して見ると思った以上に、しっかりとしたシナリオで今どきの単なるアクション・ドラマとは一味違った大人の映画なのでした。

それにしても、ブルース・ウィルスの演技がジーン・ハックマンに影響を受けた、いや物まねと言っていいほどそっくりなのは偶然ではないのでしょう。
個性派俳優のポストは限られていてキャラクターが「かぶらない」のが絶対条件。
ジーン・ハックマンなきあとの「穴」を埋めたのがブルース・ウィルスなのです。

「フレンチコネクション2」は麻薬の輸出元である、フランス・マルセイユが舞台の続編です。
古めかしいマルセイユの街は魅力が一杯。
残念なのは、ストーリーの中心が麻薬中毒にさせられたポパイ刑事ことドイル刑事(ジーン・ハックマン)の禁断症状との戦いになっていること。それはそれで名演技なのですが、観客だれもが期待していたに違いないマルセイユの街での追跡劇がなくて、ドイル刑事もフランス警察と共同作戦ゆえ単独での活躍の場所がないため、アクション映画としての魅力が低くなってしまったことでしょう。
でも「フランスのアメリカ人」のどこか田舎者的で野暮ったさが時代を感じさせるのです。

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