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2010/06/11

BraveBook:かわぐちかいじ「ジパング 3」

草加少佐の働きで、無事燃料を調達した「みらい」は、ガダルカナル島の戦闘を阻止すべく出航します。

連合艦隊との連携を図るため、草加少佐は艦載機でトラック諸島の旗艦・大和に先行。
山本五十六長官との再会と邂逅。その伏せられた2人だけの会話が、次巻以降の予想外な展開へと繋がっていきます。

米海兵隊上陸作戦にあたっての強烈な艦砲射撃はこの巻最大の「見せ場」ですが、ややあっさりとしている印象です。
映画「史上最大の作戦」でのノルマンジー上陸作戦での艦砲射撃場面ですら、実際の強烈さに遥かに及ばないと言われていることを思うと、もう少し描き込んであればと残念です。

ちなみに既にベストセラーとなっていた「ジパング」は、ブックオフなどで105円で購入できるようです。
さすがに後半の巻は半額がせいぜいですが、105円コーナーで「大人買い」などはどうでしょう。


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2010/06/04

BraveBook:かわぐちかいじ「ジパング 2」

草加少佐は「みらい」の資料室で、終戦から戦後日本の歩みのすべてを知る。
その後、この物語を展開させていく野心的戦略家である草加少佐をまだ知らない読者にとっては、その冷静さが不思議な印象を残します。

草加少佐のアドバイスに従い、昭南市(シンガポール)で燃料と食料の調達に向かう角松二佐と草加少佐。
占領地での軍政の実態。武力占領後、占領地には複雑で独特の行政が行われますが、日本軍占領地でのその実態はあまり知られる機会がありませんが、その「空気感」が秀逸です。軍と軍属、占領者と被占領者、陸軍と海軍。このあと、満州編で濃密に展開される「占領地の空気」の片鱗が早くもみられる第2巻です。

ところで、こんな理性的で理知的な海軍少佐が当時存在しえたのか。その実在感に幻惑されてしまいますが、草加少佐は著者かわぐちかいじ氏の創造した人物。
もし、こんな人物が海軍中枢の重要な地位に登用される組織を、当時の日本軍部が有していたら「あの戦争」の結論は、「みらい」の登場がなくても異なっていたに違いありません。


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