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2011/06/26

BraveBook:かわぐちかいじ「ジパング 14」

米軍機の猛攻にさらされる「みらい」
「みらい」への被弾を防ぐため「海鳥」の機首を真下に向ける佐竹一尉
死を覚悟した「特攻」
一方、操縦不能になり「みらい」に向け真っすぐに墜落していくB−17
搭乗員の命を救うため、必死に操縦桿を引き上げ、衝突を回避するハットン中佐
同じ「死」でも、その意味するところは全く違います。

巻頭いきなりのクライマックス
日米の違い、特に国と国民の関係の違いは、作者かわぐちかいじ氏の関心の一つなのでしょう。
戦闘機や特殊艇による「国民の死」を前提とした「国家のための死」、「特攻」
それを「是」とし、「美談」とした大日本帝国とその国民
その思想を根本的に理解できなかったであろうアメリカ合衆国とその国民
太平洋戦争では、その「相互理解不能」が生み出した悲劇がいくつもあります。
そんな思想の違いを端的に描き出した名場面から、この巻は始ります。

日米終戦に向けたワシントンの思惑、「みらい」の運用を巡る艦幹部の思惑、南京での原爆製造の準備と、物語は足早に展開していきます。

巻末に阪神大震災での海上自衛隊の活動を描く外伝が掲載されています。
角松一尉と梅津阪神基地隊副長との出会い、二人の考え方の違いが上手く描かれています。
今回の東日本大震災では、海上自衛隊の活動はあまり目立ちませんでしたが、それが阪神大震災以降に陸上・海上両自衛隊の連携と一体運用が日常化した結果だと信じたいと思います。


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2011/06/18

BraveBook:かわぐちかいじ「ジパング 13」

史上初の原子爆弾を作るための濃縮ウランは、A-26で空路無着陸で草加により満州へ、現役復帰した石原莞爾により鉄路、南京への運ばれます。
原爆完成まで、あと半年。

後半では、久しぶりに「みらい」と米軍との戦闘シーンが。
東部ニューギニアからの日本軍の撤退。
太平洋戦争の「新たなシナリオ」が、それぞれの思惑が交錯しながら展開していきます。

「みらい」幹部の角松二佐と菊地三佐の考える「将来像」の違いも明確になってきて、物語に今後の展開に期待が膨らむ一冊です。


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2011/06/12

BraveBook:「誰も寝てはならぬ 15」

東京・赤坂見附あたりのデザイン事務所

いい年をした、バツイチのゴローちゃんとハルキちゃん
バイト感覚のネネちゃんと巴ちゃん
微妙に個性的な商売仲間やご近所さん

「誰も寝てはならぬ」はサライネス史上最長記録更新中です。

この良さは読んでみなけらば解らない
解らない人には、読んでみても解らない(に違いない)
解る人だけ解れば良い。
その潔さが連載の秘訣でしょう。

久しぶりに骨折・入院という「大事件」が発生した14巻も好評発売中です。

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2011/06/05

横浜都心部コミュニティサイクル社会実験、始動!

「横浜都心部コミュニティサイクル社会実験」という、いかにもお役所的な名前の仕組みができました。

「横浜都心部コミュニティサイクル社会実験」HP

横浜市がドコモと共同して行う、乗り捨て型の貸自転車システムです。
この仕組み、日本では全く知られていませんが、パリなどヨーロッパ主要都市では、しばらく前から導入が始っていて、結構定着しているようです。

上のホームページを見ても、もう一つよく解らない。
そんな印象を持った方も多いでしょう。正直言って、どんな利点があるのか、少しも解らない、実にヘタクソな説明で、雑誌などへの露出もそれなりにあるのですが、あまり利用者が多いとは言えない状況です。
各ポート(自転車が置いてある場所)には、土日曜日にはドコモ社員が宣伝のために配置されていますが、こちらもやる気のなさが顔に出ていて、たまに関心を持った人から質問されても、満足に要領を得た説明もできない状況で、困ったものです。

と言うことで、久々更新の横浜散歩が解説しましょう。

ます、このシステムを利用するメリットのある人は
1 横浜市の中区・西区在住で、JR根岸線より海側に住んでいる人
2 同じく、そこに勤めている人 です。
後でご説明するように登録制度があるため、初めて横浜観光に来た人や時々横浜に買物に来る人には、ほとんどメリットはありません。

次に、どのように利用するものなのかですが、
例えば、みなとみらい地区に住んでいる人が、元町ユニオンに買物に行くとき、行きはこの自転車を使っていき、荷物が重い帰りはみなとみらい線を利用する場合などに便利です。自分の自転車なら帰りも当然自転車で帰らなければなりませんし、往復とも電車を使うと交通費が2倍かかるので、このような場合にはとても便利。
同じく、なかなか自転車を止める場所が見つからない、チャーミングセールの際なども、到着時に一旦ポートに自転車を返してしまい、帰りに再び借りれば良いので便利です。もちろん、そのまま電車や歩いて帰っても大丈夫。

あるいは、夕方、横浜球場にナイター観戦へ行く場合。MY自転車は置く場所の確保はまず困難。歩いていくには遠すぎるし、みなとみらい駅から日本大通駅まで電車でいっても、結構時間がかかる場合など、この自転車なら球場脇のポートに返却してしまえば大丈夫。みなとみらい地区からわずか15分ほどで移動できます。

要するに、最寄りのポートから目的地のポートまで、自転車を乗り継いでいく仕組みなのです。
横浜在住や在勤の方なら、あまり機会はないと思いますが、桜木町からマリノスタウンに行って練習観戦、そのあとランドマークタワーで食事、赤レンガ倉庫でショッピング、最後は山下公園のベンチで一休み、などという移動が、ポートからポートへ自転車を乗り付いていくことで可能となります。
「ポートに自転車や返却場所が満員だったらどうなるの?」
当然の疑問ですが、コンピュータで各ホートの自転車の状況はリアルタイムで把握されているそうで、スタッフが過不足なく自転車を移動されているので、大丈夫との説明でした。

さて肝心の仕組みなのですが、まずは料金の精算に使用する為にクレジットカードなどの登録が必要。ホームページからも出来ますが、登録事項が結構多いので、桜木町と馬車道にある登録カウンターに出向くのが良いでしょう。
登録は即日完了で、カードを受け取ればその帰りから利用ができます。
種類は、月額1050円で何回でも使えるものと、1回105円の会員の2種類。
切り替えは105円で出来ますので、どうしても心配なら1回会員からスタートすると良いでしょう。
利用時間が午前8時から午後9時半と短いのが残念です。24時間とは言いませんが、早朝から深夜までなら通勤や通学にも利用できるのに。ぜひ利用時間を長くしてほしいものです。

実験期間は3年間とのことなのですが、ぜひ成功させていただきたいものです。
まずは、ドコモのスタッフのやる気が重要。せっかくモバイル環境があるのですから各ポートの社員に自慢の端末を持たせて、その場で登録ができるようにしたらどうでしょうか?
また、観光地巡りの観光客の取り込みも重要です。1日フリー・2日フリーなどの種類の登録制度も必要です。博物館や観光名所が集中しているこの地区で、多くの観光客が徒歩や「あかいクツ号」で観光しています。このシステムを最も使いたいのは、そんな観光客のはず。
そうすれば、もっと多くの利用が見込まれるし、ポートも自転車台数の増やせるはず。1日300円のワンデイカードの発行をぜひ検討してみるべきでしょう。

横浜在住・在勤の人には月額登録がお薦め。
自分の自転車を持っている人でもメリットが一杯です。今なら初回登録料も必要ありませんので、横浜暮らしを一層便利にしてみましょう。

「横浜都心部コミュニティサイクル社会実験」HP

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BraveBook:かわぐちかいじ「ジパング 12」

ヨーロッパから物語の舞台は再びアジアに。
連合艦隊の、南太平洋本拠地トラック諸島からパラオへの撤収。
後に物語で重要な役割を担うことになる、物理学者・倉田万作の登場。
ロシアの保護の元で、原爆開発のための研究を続ける科学者との接触と濃縮ウランの入手。
物語は、草加の構想する「日本による世界最初の原爆開発」に向けて、いそがしく展開していきます。

多数の軍属(民間人)が乗船する客船(民間船)への米潜水艦による容赦ない攻撃。実際の太平洋戦争後半に、無数に展開された一方的な虐殺の悲劇。
日本軍伝統とも言える兵站軽視の軍運用にあって、一艘の軍艦の護衛もなく人員や物資を輸送していた民間徴用による商船群は、制空権・制海権を日本軍が失うにつれて、無抵抗のまま一方的に撃沈される運命にありました。
多数の人々が国のため、あるいは無為に死んでいくなかで、戦後日本の価値観のなかで育成された海上自衛隊「みらい」の、民間人の懸命の救助活動は「異質」で「奇異」なものに映ります。

沈没する長安丸の乗客の救助に全力をあげる「みらい」の乗員達。その活躍が、東日本大震災での自衛隊に重なりました。
そして、現場の惨状にあまりに無関心・無頓着な高級将校や参謀本部に、東電幹部と管内閣・国会議員・高級官僚が重なるのは、あまりに悲しい現状なのです。

「人命軽視」の戦前日本の悪しき価値観は、敗戦によって本当に「消滅」できたのか。

「平和」と「人命」と「人権」を尊重し愛する戦後日本は、実は「幻」ではないのか。

福島原発事故に取り組む作業員への処遇や恣意的な安全基準緩和を見るとき、そんな疑念が浮かんでくるのです。

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